ホワイトハウス・コネクション 他2作「ホワイトハウス・コネクション」「審判の日」「復讐の血族」ジャック・ヒギンス著 イギリス政府首相直轄の組織の命により、裏の仕事を請け負う元IRAテロリスト ショーン・ディロンシリーズ。 3作続けて読んでみたが、作品を共通するテーマは「復讐」 「ホワイトハウス・コネクション」では、息子を惨殺された帰属の老婦人が専属運転手とともに、テロ軍団に立ち向かう。 「審判の日」では、マフィアに元妻を殺されたアメリカ大統領直属機関の工作品がマフィアを殲滅しようとする。 そして「復讐の血族」では、母親を殺され、自国を踏みにじろうとする強国にアラブの名家でありイギリス帰属でもある大富豪の兄弟たちがが反旗を翻す等、全て事件の発端が復讐となっている。 軽快なテンポと、魅力あるキャラクター、優しくもあり恐ろしい暗殺者にもなる主人公のディロン。007(古い)やダーク・ピットシリーズと異なるのは、作品全体に「暗い影、濃霧の雨」のような厭世的な雰囲気が流れていることだ。 正義と悪、なんて単純な区分はしておらず、自らの行動に悩みつつも動いてしまう、ってところなのか。正直、悪と善の違いが判らなくなるようなシーンがよく出てくる。 今までの作品は1話完結タイプだったが、「復讐の血族」は一応、話のキリはあるが、1つの話の前半部分といったところで、次作が待ち遠しい。ディロンにもビリーという相棒ができたので、益々行動に拍車がかかるのではないだろうか?瀕死の重傷を負ったハンナはどうなるのか? この3作はまとめて読んで欲しい(実は、出張の機会に「ドン」とまとめて読んだのだった) |